CDジャケットや雑誌、広告などのフォトグラファーとして活躍を続ける北島明は、無類のオーディオマニアとしても業界では有名だ。自宅にはヴィンテージのスピーカーやアンプ、イコライザーが並び、最近ではアンビエントや現代音楽寄りの北欧ジャズにハマっているというように、生活において音楽は重要な位置を占めている。「子どもの頃から音楽が好きで、いい音で聴きたいという欲望から始まった」と、オーディオへのこだわりについて語る。

「練習しないと楽器が上手くならないのと一緒で、オーディオもいい音を出すためには勉強して、練習しないといけないんですよ。練習して知識も吸収して、どんどんスキルアップしていける楽しさがあるんです。ただ高い機械を買ったからいい音になるかというとそうではなく、聴く音楽の年代によってマッチする機材は異なりますし、10年や20年をかけて、悩みながらどんどん音を良くしていきたいとハマっていくものです。」

20年をかけてオーディオと向き合い、音楽を聴く環境づくりにこだわってきた北島。KEFのLS60 Wirelessを実際に自宅に設置したときには、簡単なセッティングを終えた瞬間から予想を上回るクオリティの音が楽しめ、この小型のスピーカーから太い低音が出てくることに驚いたという。

「オーディオマニアの視点から見て、本当につなぐだけでいい音が鳴るんで少しびっくりしています。オーディオを少し試してみたいという人がLS60 Wirelessから入るのはいいと思いますし、デジタルサウンドとの相性がいいので、マニアが2台目としてデジタルで楽しむ際に利用するのもありではないかと思っています。たとえば有線でつないだときとWi-Fiでの音の違いを聞き比べてみたり、畳やカーペットなどの柔らかい床だったら硬い木の板を噛ませてみたり、いろいろと調整しながらさらにブラッシュアップする楽しみがあるはずです。」

北島はマイクで音を拾い、専用のアプリケーションで音を分析して最適な環境を探るほどのマニアだが、音の周波数を眺めながらもKEF LS60 Wirelessの原音再現性に舌を巻く。

「音楽を聴く時間というのは、やはり気分を変えられて、想像力を増すことができるのが魅力です。音楽家からエネルギーをもらうことができると思うんですね。できるだけいい音楽をいい音で聴いて、自分に力を蓄えたいと思っています。」

フォトグラファーとして写真を撮る際に感じること、また趣味の域を超えたレベルで楽しむ料理の際にも、音を楽しむことと同じ意識を持っていることがわかる。音の環境をどう構築するか、繊細な画面表現をどのような意識で行うか、そして、取材当日にいただいたカレーにおいても、スパイスの強さをひたすら強調するのではなく、複数の種類をバランスよく配合することで個が立ちすぎずにマイルドさの奥に香る味わいが後を引いた。

「すべてバランスだと思うんですよ。何を足して何を引くか。それは被写体とのコミュニケーションにしてもそうだし、画面の最後の仕上げの色の出し方なども同様です。そのバランスをうまく見つけることで、音にしても画面にしても奥行きが出せるようになるんじゃないかな。KEFのスピーカーはその奥行きをすぐに実現できるので、驚きが大きかったですね。」

北島明

福岡市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科、卒業。1994年に初の写真集「UNTITLED」刊行。SPUTNIK代表。広告、音楽、雑誌、カタログ等で活躍中。

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